1911年

2023年01月27日

’Way Down East

There’s a picture in my mind,
Hill and dale and bright sunshine,
Maiden fair, waiting there,
In the trees the robins sing,
’Round the porch sweet roses cling,
’Twas there I promised May
that I’d return some day.

’Way down East, that’s where I long to be,
’Way down East, there’s some one waiting for me,
I have bought that little band of gold,
Soon I’ll hop the first express, my love to unfold,
And when my honey meets me at the choo-choo train,
Arm in arm we’ll stroll to Parson Lane,
When the knot’s tied, then we will reside,
’Way Down East.

Feeling lonesome for the dell,
Clover fields and rustic well,
Lowing herds, singing birds,
So I’ve sent a telegram,
Telling May just when I’ll land,
There’ll be a grand love feast
when I get ’way down East.

’Way down East, that’s where I long to be,
’Way down East, there’s some one waiting for me,
I have bought that little band of gold,
Soon I’ll hop the first express, my love to unfold,
And when my honey meets me at the choo-choo train,
Arm in arm we’ll stroll to Parson Lane,
When the knot’s tied, then we will reside,
’Way Down East.

「はるか遠く東に」

頭の中に思い浮かぶ絵があるんだよ
丘に谷に明るい日差しに
麗しい乙女が、そこで待っているんだ
木々の間で、コマドリが歌い
門口には甘美なバラのツルが絡む
そこで僕はメイと約束したのさ
いつの日か僕は帰るよと

はるか遠く東に、僕は行きたいと願っているんだ
はるか遠く東に、そこであの人が僕を待っているから
小さな金の指輪を僕は買ったんだよ
すぐに特急列車に跳び乗って、恋心を告げにいくのさ
僕のあの娘と汽車で出会えたなら
手に手を取って、牧師さまのところへ歩いていくんだ
それで絆が結ばれたら、僕らは暮らすんだよ
はるか遠く東でね

恋しくてさびしくなってね、谷間が
シロツメクサの畑が、田舎の井戸が
鳴き声を上げる牛たち、歌っている小鳥たちが
だから僕は電報を打ったんだ
メイに伝えたんだよ、僕がいつ到着するのか
きっと盛大な結婚の式になるだろうね
僕がはるか遠く東へとたどり着いたら

はるか遠く東に、僕は行きたいと願っているんだ
はるか遠く東に、そこであの人が僕を待っているから
小さな金の指輪を僕は買ったんだよ
すぐに特急列車に跳び乗って、恋心を告げにいくのさ
僕のあの娘と汽車で出会えたなら
手に手を取って、牧師さまのところへ歩いていくんだ
それで絆が結ばれたら、僕らは暮らすんだよ
はるか遠く東でね

 セシル・マック(Cecil Mack、1873~1944年)作詞、ジョー・ヤング(Joe Young、1889〜1939年)とハロルド・ノーマン(Harold Norman、生没年未詳)作曲による、おそらく西部にいた男が東の故郷へ向けて帰ろうとする思いを歌った楽曲です。ジョー・ヤングとハロルド・ノーマンは、この歌の作曲をしたこと以外の情報は見つけられませんでした。1911年にピアレス・カルテット(Peerless Quartet)がアカペラで歌った録音が、ビルボードのヒットチャートで九位を記録しています。

dale:谷間。
Maiden:未婚の若い女性、乙女。
May:ここでは女性の名。
unfold:打ち明ける。
choo-choo train:汽車ポッポ。
Parson:教区牧師。Laneには通りの意があり、ここはParson Laneと言う通りとも、レイン牧師とも取れるようになっている。
reside:居住する。
dell:小さな谷。
rustic:田舎の。
well:井戸。
Low:(牛が)モーと鳴く。
herds:家畜の群れ。

 



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2023年01月25日

The Old Oaken Bucket

How dear to this heart are the scenes of my childhood,
When fond recollection recalls them to view;
The orchard, the meadow, the deep tangled wild wood,
And every lovd spot which my infancy knew
The wide spreading pond and the mill which stood by it,
The bridge and the rock where the cataract fell;
The cot of my father, the dary house nigh it,
The old oaken bucket the iron bound bucket,
The moss covered bucket, the moss covered bucket,
the moss covered bucket that hung in the well.

That moss-covered vessel I hail as a treasure,
For often at noon, when returned from the field,
I found it the source of an exquisite pleasure,
The purest and sweetest that nature can yield,
How ardent I seized it, with hands that were glowing,
And quick to the white pebbled bottom it fell,
Then soon with the emblem of truth o’erflowing,
And dripping with coolness it rose from the well,
The old oaken bucket, the iron-bound bucket,
The moss-covered bucket arose from the well.

「古びた樫のバケツ」

この心に懐かしく思われるのは、自分が子供だった頃の情景
楽しい思い出が、目の前に呼び起こしてくれる
果樹園に、草原に、深く入り組んだ手付かずの森に
一つ一つの愛おしい場所に、幼年時代に慣れ親しんでいた
広々と開けた池、そのほとりには水車小屋が建っていて
橋もあれば、巌を大滝が洗っている
父の簡易ベッド、あったのは懐かしい家で
古びた樫のバケツ、鉄のたがをはめたバケツ
苔むしたバケツ、苔むしたバケツ
苔むしたバケツが、井戸にはかかっていたよ

その苔むした水桶を、僕は宝物だと思う
いつでも昼時に、畑仕事から帰ってきて
そこに見出すのは格別の喜びの源なのだから
何より澄んで、何より甘く、自然の生み出したものだから
どんなに熱心に僕はつかんだろう、この輝いている手で
すばやく白石を敷き詰めた水底に、桶は落ちていき
またすぐに真実の象徴が溢れ出して
冷たい雫を落とすのだ、井戸から汲み上げられて
古びた樫のバケツ、鉄のたがをはめたバケツ
苔むしたバケツが、井戸から引き上げられて

 アメリカの劇作家で詩人のサミュエル・ウッドワース(Samuel Woodworth、1784~1842年)の1817年発表の詩に、英国のヴァイオリン奏者で作曲家のジョージ・カイルマーク(George Kiallmark、1781~1835年)の旋律を合わせて歌えるようにしたもの。カイルマークの旋律は、元々はトーマス・ムーア(Thomas Moore、1779~1852年)の1817年出版の物語詩「ララ・ルーク(Lalla Rookh)」の中の一編「アラブの娘(Araby’s Daughter)」のために書いて1824年に出版したものでしたが、現在ではもっぱら、この歌のものとして知られています。
 イリノイ州の大学フットボールのライバル校であるインディアナ大学(Indiana University)とパードゥー大学(Purdue University)の対抗戦のトロフィーは、この歌にちなんで本物の樫のバケツが使われています。
 録音ではピアレス・カルテット(Peerless Quartet)の歌ったものが、1911年のビルボードのヒットチャートで九位を記録しているほか、ビング・クロスビー(Bing Crosby、1903~1977年)も1941年に録音を残しています。

recollection:思い出すこと、記憶。
recall:思い出させる、呼び起こす。
orchard:果樹園。
meadow:草地。
lovd:lov’d、loved。
infancy:幼年期。
mill:水車小屋。
cataract:大瀑布、大滝。
cot:折りたたみの簡易ベッド。
dary:おそらくdeary。
nigh:近くに。
bucket:バケツ。
iron bound:鉄のたがのはまった。
well:井戸。
vessel:容れ物。
hail:受け入れる。
exquisite:卓越した。
yield:算出する。
ardent:熱心な。
seize:つかむ。
pebbled:石を敷き詰めた。
emblem:紋章、象徴。

ピアレス・カルテットの歌唱


ビング・クロスビーの歌唱



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2023年01月22日

Drink To Me Only With Thine Eyes

Drink to me only with thine eyes,
And I will pledge with mine;
Or leave a kiss within the cup,
And I'll not ask for wine.
The thirst that from the soul doth rise
Doth ask a drink divine;
But might I of Jove's nectar sup,
I would not change for thine.

I sent thee late a rosy wreath,
Not so much honoring thee
As giving it a hope, that there
It could not withered be.
But thou thereon didst only breathe,
And sent’st it back to me;
Since when it grows, and smells, I swear,
Not of itself, but thee.

「僕に捧げる杯は、あなたの眼差しだけで」

僕に捧げる杯は、あなたの眼差しだけでいい
僕の返杯も、僕の眼差しで返すから
それとも杯に、口づけ一つ残せばいい
僕はぶどう酒など望まないのだから
この乾きは、魂から湧き出ずるもので
神聖な美酒を所望しているのだ
たとえユピテル神の霊酒を飲めるとしても
あなたの杯と替えるつもりはない

私はあなたにバラの花輪を捧げたけれど
あなたを称えるには足りないものだ
希望を込めているのだよ、そこには
決して萎れることがないようにと
あなたには、そこに吐息をひと吹きかけて
僕の元に送り返してほしい
育てばきっと、香りたつと、僕は信じるのだ
花だけでなく、あなたの香りも

 英国の劇作家で詩人のベン・ジョンソン(Ben Jonson、1572~1637年)が1616年に出版した詩集「森(The Forrest)」の中の一編「シリアへ(To Celia)」に曲を付けたもの。ジョンソンの詩はアテナイの詩人フィラストラトス(Φιλόστρατος、170年頃~240年頃)の性愛を綴った詩集「書翰(πιστολαί)」にある詩を翻案したものです。楽曲は1790年頃に英国の作曲家ジョン・ウォール・カルコット(John Wall Callcott、1766~1821年)が合唱向けに作曲しました。日本では「君が眼にて酒を汲めよ」の題で紹介されています。
 録音ではジョン・マコーマック(John McCormack、1884~1945年)の1911年に歌ったものが、ビルボードのヒットチャートで六位を記録しています。また、アメリカのカントリー歌手ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash、1932~2003年)は、この曲をもとにした楽曲「僕に乾杯を(Drink To Me)」を作り、1959年のアルバム「我らが土壌の歌(Songs of Our Soil)」に収録しています。

Drink to:(誰かあるいは何かを祝福して)乾杯する。
pledge:乾杯する。
doth:古語でdoの三人称単数直接法現在。
Jove:ローマ神話の主神ジュピター。
nectar:ギリシア・ローマ神話で天界で供される美酒。
sup:マコーマックの録音ではこの部分をsip、JoveをLoveに置き換えて歌っている。
wreath:花輪。
withered:しおれている。
thereon:その上に。

 



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2023年01月19日

Believe Me, If All Those Endearing Young Charms

Believe me, if all those endearing young charms,
Which I gaze on so fondly to-day,
Were to change by to-morrow, and fleet in my arms,
Like fairy-gifts fading away,—
Thou wouldst still be ador’d as this moment thou art,
Let thy loveliness fade as it will;
And, around the dear ruin each wish of my heart
Would entwine itself verdantly still!

It is not while beauty and youth are thine own,
And thy cheeks unprofan’d by a tear,
That the fervour and faith of a soul can be known,
To which time will but make thee more dear!
Oh! the heart, that has truly lov’d, never forgets,
But as truly loves on to the close;
As the sun-flower turns on her god, when he sets,
The same look which she turn'd when he rose!

「信じておくれ、たとえこの愛おしい若き魅力すべてが」

信じておくれ、たとえこの愛おしい若き魅力すべてが
今日の日に、僕の愛しく目にしているものが
明日には変わりはてて、またたく間に我が手の中から
妖精の贈り物のように、消え失せてしまったとしても
それでも君が愛おしいのだ、今この時と同じくらいに
愛らしさも消えるがままにしておけばいい
荒廃さえも愛おしく、僕の心の望みの一つ一つが
いつまでも、みずみずしくあり続けるのだから

美しさとか若さだけが、君そのものではないのだから
それに、涙に汚れたことがない頬でもないのだから
魂の情愛と誠実さこそが、示してくれるものならば
時を追うごとに、より深く愛しく思わせてくれるのだ
ほら、この心は真の愛を知り、忘れることはないだろう
本当の愛とは近しく寄り添うものなのだから
ヒマワリが愛する神を見つめ続け、日が沈んだとしても
また日が昇る時には、同じ顔で出迎えるように

 トーマス・ムーア(Thomas Moore、1779~1852年)が、おそらく天然痘と思われる病により若い頃の美貌が損なわれてしまった妻君への、変わらぬ愛情を綴った歌。1808年出版の際に、既存の楽曲「我が宿は冷たき土の上(My Lodging Is On The Cold Ground)」のメロディーに合わせて歌うよう書かれていました。また、この楽曲のメロディーはハーヴァード大学(Harvard University)の校歌「麗しきハーヴァード(Fair Harvard)」としても有名です。日本では堀内敬三(1897~1983年)作詞による「春の日の花と輝く」として知られています。
 録音ではジョン・マコーマック(John McCormack、1884~1945年)の歌ったものが、1911年のビルボードのヒットチャートで10位を記録しています。

endearing:愛情を抱かせる、親しみのわく。
gaze:見つめる。
fondly:愛情を込めて。
fleet:速い。
fairy-gifts:フランスの昔話から。妖精から美女となったお姫さまは病気で美貌を失う。
Thou:汝は。
entwine:巻きつく。
verdantly:新緑に覆われた。
thine:汝の。
unprofan’d:汚されることのない。
fervour:信念、情熱。
sun-flower:ヒマワリ。

 

マコーマックは1937年公開の映画「暁の翼(Wings of the Morning)」 の中で、この歌とアイルランドの愛唱歌「キラーニー(Killarney)」(http://yogaku-manyoshu.blog.jp/archives/14780802.html)を披露しています。
 



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2023年01月18日

When You’re In Town

One fine day, on Broadway,
Simple Sally Brown,
Met a trav’ling salesman who was trav’ling around,
“Howdy do, how are you?
Let’s go see the town.”
Sally answered, “What a pity,
I would like to but the city
Folks would talk, they would talk, you know that they can;
But I’d like to know you better, Mister Trav’ling Man.”

When you’re in town, in my home town,
Look me up, look me up, I’ll be happy to see you;
When you’re passing my way, drop in and stay,
If you’ll come, you’re welcome as flowers in May
And you can hang your samples on a sour apple tree,
And I’ll see that no one’s around;
For I’d much rather walk where the neighbors don’t talk,
When in town call around, goodbye.

Sally Brown settled down,
Wed her trav’ling man,
He said, “Dearie, I’ll be home as much as I can.”
Trav’ling men, now and then
Get a telegram,
Their employer sends a wire,
“Go and see a certain buyer.”
Looking ’round, Sally found in her hubby’s coat,
Seven different notes, that seven diff’rent females wrote.

When you’re in town, in my home town,
Look me up, look me up, I’ll be happy to see you;
When you’re passing my way, drop in and stay,
If you’ll come, you’re welcome as flowers in May
And you can hang your samples on a sour apple tree,
And I’ll see that no one’s around;
For I’d much rather walk where the neighbors don’t talk,
When in town call around, goodbye.

「町に来たなら」

ある晴れた日に、ブロードウェイで
お人よしのサリー・ブラウンは
旅して回ってる訪問販売のセールスマンと出会ったのさ
「こりゃどうも、初めまして
町を見物しに行きませんか」
サリーの返事は「あら残念
それって素敵だけど、町に行ったら
人が噂しちゃう、きっと噂しちゃう、そうなるって分かるでしょ
でも、あなたのこともっとよく知りたいの、旅回りの販売員さん」

町に来たなら、私の住む町にね
私を訪ねて、私を訪ねて、あなたと会えれば嬉しいから
うちの近所に来るのなら、うちに寄って泊まっていって
来てくれたら、五月の花を迎えるみたいに歓迎するから
商品見本ならまだ酸っぱいリンゴの木にでもかければいいでしょ
きっと周りには誰もいないだろうから
私が散歩してみたいのは、ご近所さんが噂しないところなの
町に来たなら寄り道してね、じゃあ、さよなら

サリー・ブラウンは身を固めたんだよ
旅回りの販売員と結婚したんだ
旦那は言ったんだ「ねえ、できるだけ我が家にいるようにするからね」
旅回りの販売員ってのは、時々だけど
電文を受け取るんだ
雇い主が電報を送ってよこすんだよ
「得意の客に会いにいくんだ」
いろいろ探して、サリーは旦那さまのコートに入ってるのを見つけたんだよ
それぞれ七枚の手紙をね、それぞれ七人の女が書いてたんだ

町に来たなら、私の住む町にね
私を訪ねて、私を訪ねて、あなたと会えれば嬉しいから
うちの近所に来るのなら、うちに寄って泊まっていって
来てくれたら、五月の花を迎えるみたいに歓迎するから
商品見本ならまだ酸っぱいリンゴの木にでもかければいいでしょ
きっと周りには誰もいないだろうから
私が散歩してみたいのは、ご近所さんが噂しないところなの
町に来たなら寄り道してね、じゃあ、さよなら

 アーヴィング・バーリン(Irving Berlin、1888~1989年)による旅回りのセールスマンを題材にした楽曲です。少し歌詞をいじって男女のデュエットにしたものを、1911年にエリーズ・スティーヴンソン(Elise Stevenson、1878~1967年)とヘンリー・バー(Henry Burr、1882~1941年)とが歌って、ビルボードのヒットチャートで六位を記録しています。

Broadway:ニューヨークを南北に走る大通り。
Simple:お人よしの、愚かな。
trav’ling salesman:サンプルを持ち歩き注文を取る訪問販売のセールスマン。
Howdy do:how do you do。
Look up:訪ねる。
drop in:立ち寄る。
samples:商品見本、試供品。
call around:ちょっと立ち寄る。
settle down:身を固める。
Wed:結婚する。
employer:雇い主。
telegram:電報。
sends a wire:電報を打つ。

 



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