1894年

2023年12月05日

Daisy Bell

There is a flower within my heart, Daisy, Daisy!
Planted one day by a glancing dart,
Planted by Daisy Bell!
Whether she loves me or loves me not,
Sometimes it’s hard to tell;
Yet I am longing to share the lot
Of beautiful Daisy Bell!

Daisy, Daisy,
Give me your answer, do!
I’m half crazy,
All for the love of you!
It won’t be a stylish marriage,
I can’t afford a carriage,
But you’ll look sweet upon the seat
Of a bicycle built for two!

We will go “tandem” as man and wife, Daisy, Daisy!
“Ped’ling” away down the road of life,
I and my Daisy Bell!
When the road’s dark we can both despise
P’liceman and “lamps” as well;
There are “bright lights” in the dazzling eyes
Of beautiful Daisy Bell!

Daisy, Daisy,
Give me your answer, do!
I’m half crazy,
All for the love of you!
It won’t be a stylish marriage,
I can’t afford a carriage,
But you’ll look sweet upon the seat
Of a bicycle built for two!

I will stand by you in “wheel” or woe, Daisy, Daisy!
You’ll be the bell which I’ll ring you know!
Sweet little Daisy Bell!
You’ll take the “lead” in each “trip” we take,
Then if I don’t do well;
I will permit you to use the brake,
My beautiful Daisy Bell!

Daisy, Daisy,
Give me your answer, do!
I’m half crazy,
All for the love of you!
It won’t be a stylish marriage,
I can’t afford a carriage,
But you’ll look sweet upon the seat
Of a bicycle built for two!

「デイジー・ベル」

僕の心の中で咲いている花は、デイジー、デイジー
ある日、あっという間に飛び込んできたのさ
デイジー・ベルが植えていったんだよ
あの娘が僕を愛しているか、愛してないか
時々、分からなくなってしまうんだ
それでも僕はたくさん分け合いたいんだ
すてきなデイジー・ベルと

デイジー、デイジー
答えてくれないかなあ
僕は半分おかしくなってるんだ
みんな君を愛してるせいなんだよ
おしゃれな結婚式なんてできないけど
馬車なんて用意できないけれど
それでもサドルに乗った君はきっとかわいいよ
二人乗り用の自転車でね

僕らは「タンデム」で進むのさ、夫婦になってね、デイジー、デイジー
「ペダルを踏んで」人生と言う道のりを進んでいくんだよ
僕と僕のデイジー・ベルはね
道が暗くなってきたら、僕らはバカにしてやるのさ
お巡りさんも「電灯」もみんな
だって「輝く光」が目のくらむような瞳に宿っているんだ
すてきなデイジー・ベルにはね

デイジー、デイジー
答えてくれないかなあ
僕は半分おかしくなってるんだ
みんな君を愛してるせいなんだよ
おしゃれな結婚式なんてできないけど
馬車なんて用意できないけれど
それでもサドルに乗った君はきっとかわいいよ
二人乗り用の自転車でね

僕が君を支えるよ、「止める時」も貧しき時も、デイジー、デイジー
君はベルなんだから、僕が鳴らすってことなんだ
かわいく可憐なデイジー・ベル
君が「リード」するんだよ、僕らの出かける「トリップ」でね
それで、もし僕がヘマをしたら
君がブレーキをかけてもいいんだよ
僕のきれいなデイジー・ベル

デイジー、デイジー
答えてくれないかなあ
僕は半分おかしくなってるんだ
みんな君を愛してるせいなんだよ
おしゃれな結婚式なんてできないけど
馬車なんて用意できないけれど
それでもサドルに乗った君はきっとかわいいよ
二人乗り用の自転車でね

 「昔の歌:第1集(Songs Of The Past, No. 1)」(http://yogaku-manyoshu.blog.jp/archives/22536312.html)に引用されている楽曲の一つで、英国のソングライターであったハリー・デイクル(Harry Dacre、1857~1922年)が作詞作曲した1892年出版の楽曲です。二人乗り用の自転車が出てくる歌で、英国ではミュージックホールで歌われていました。この歌のデイジーの名前は、エドワード七世(Edward VII、1841~1910年)の愛人だったデイジー・グレヴィル(Daisy Greville、1861~1938年)から取ったと言われています。
 YouTubeではヴォードヴィルの芸人だったエドワード・M・フェイヴァー(Edward M. Favor、1856~1936年)の1894年の録音を聞くことができます。この歌はコンピュータが合成音声で歌った初めての歌としても知られています。ベル研究所のジョン・ラリー・ケリー・ジュニア(John Larry Kelly Jr.、1923~1965年)は1962年、IBM704に子の楽曲を歌わせることに成功しました。この合成音声によるデモンストレーションを見学したアーサー・C・クラーク(Arthur C. Clarke、1917~2008年)は1968年のスタンリー・クーブリック(Stanley Kubrick、1928~1999年)が監督した映画「2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)」の脚本と、それを小説化したものに、人工知能HAL 9000が子の楽曲を歌う場面を書いています。

Daisy:女性名でもありヒナギクの意でもある。
glancing:さっとかすめる。
dart:急速な動作。
stylish:当世風の、いきな。
afford:持つ余裕がある。
carriage:乗り物。
tandem:前後に並んで。tandemはサドルとペダルが前後に並んだ二人乗り用自転車。
Ped’ling:padaling。(自転車の)ペダルを踏む。
despise:ひどく嫌う、嫌悪する。
P’liceman:policeman。
lamps:ガス灯、電灯。
dazzling:目もくらむほどの、まぶしい。
stand by:支援する。
in “wheel” or woe:in weal or woe。幸せな時も不幸な時も。wheel(車輪)とweal(幸福)をかけている。
take the “lead”:先頭を行く、先導する、リードする。
brake:ブレーキ。

エドワード・M・フェイヴァーの歌唱


IBM704が歌う「デイジー・ベル」


「2001年宇宙の旅」での「デイジー・ベル」の場面



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)

2022年01月23日

My Pearl’s A Bowery Girl!

Of course ev’ry boy has a sweetheart,
And some boys they have two or three;
Of all the girls in this great city,
There is only one “in it” with me;
She lives with her folks on the Bow’ry,
A few door’s away from Canal;
And helps to support her old mother,
Does my little Bow’ry gal!

My Pearl is a Bow’ry girl,
She’s all the world to me;
She’s “in it” with any the girl’s round the town,
And a “corking good-looker!” See!
At Walhalla Hall, why she kills them all,
As waltzing together we twirl,
She sets them all crazy a “spieler,” a “daisy,”
For my Pearl’s a Bow’ry girl!

In summer, we go down to “Coney’s,”
Together we stroll ’long the beach;
And sometimes we go in the ocean,
For, at swimming, you bet, she’s a “peach!”
The other boys, of me are jealous;
But with me, why, that “cuts no ice!”
I’m goin’ to lead Pearl to the alter
As soon as I gets the price!

My Pearl is a Bow’ry girl,
She’s all the world to me;
She’s “in it” with any the girl’s round the town,
And a “corking good-looker!” See!
At Walhalla Hall, why she kills them all,
As waltzing together we twirl,
She sets them all crazy a “spieler,” a “daisy,”
For my Pearl’s a Bow’ry girl!

「僕のパールはバウリーっ娘」

もちろん男なら誰でも恋人が一人はいる
二人か三人いる男だっているんだよ
この大都会にいる女の子みんなの中で
僕が「付き合う」のは一人だけなんだ
その娘は家族と一緒にバウリーに住んでるんだよ
カナル通りから何軒か行った先でね
年を取った母親の手助けしてるんだ
僕のかわいいバウリーっ娘はね

僕のパールはバウリーっ娘なんだ
あの娘は僕の世界の全てなんだよ
あの娘は町の女の子たちの誰とでも「付き合う」けど
すると「どんな美人でも負かしちゃうんだ」ね!
ヴァルハラは、あの娘に敗れた男で一杯さ
僕らがぐるぐる歩き回っていると
みんながあの娘にのぼせて「おしゃべり」や「カッコつけ」になるのさ
僕のパールはバウリーっ娘なんだからね

夏には、二人で「コニー・アイランド」に出かけるのさ
僕らは一緒に浜辺を散歩したりするんだよ
時々は海にも出るのさ
泳ぎときたら、間違いない、あの娘は「最高」なんだよ
他の男たちは、僕にヤキモチをやくのさ
でも僕からしたら、そんなの「へっちゃら」なんだ
僕はパールのことを祭壇に連れて行こうと思うんだ
お金が手に入ったらすぐにでもね

僕のパールはバウリーっ娘なんだ
あの娘は僕の世界の全てなんだよ
あの娘は町の女の子たちの誰とでも「付き合う」けど
すると「どんな美人でも負かしちゃうんだ」ね!
ヴァルハラは、あの娘に敗れた男で一杯さ
僕らがぐるぐる歩き回っていると
みんながあの娘にのぼせて「おしゃべり」や「カッコつけ」になるのさ
僕のパールはバウリーっ娘なんだからね

 こちらもエドワード・マッデン(Edward Madden、1878~1952年)作詞、シオドア・F・モース(Theodore F. Morse、1873~1924年)作曲の1908年の流行歌「私は楽しく、陽気な未亡人になりたいの(I Want To Be A Merry, Merry Widow)」(http://yogaku-manyoshu.blog.jp/archives/12200832.html)の中で言及されている楽曲です。ウィリアム・ジェローム(William Jerome、1865~1932年)作詞、アンドリュー・マック(Andrew Mack、1863~1931年)作曲で、1894年に楽譜が出版されています。アンドリュー・マックはアイルランド系のアメリカのヴォードヴィル芸人で、俳優やソングライターとしても活躍した人でした。

Bow’ry:Bowery。マンハッタンの目抜き通り。
Canal:Canal Street。マンハッタンの大通りの一つ。マンハッタン橋のところでBoweryと交差する。
cork:抑圧する。
Walhalla Hall:北欧神話で戦死者が饗宴を行う宮殿。
spieler:おしゃべり。
daisy:第一級の人。
Coney’s:Coney Island。17世紀からあるニューヨーク南端の遊興施設。
peach:魅力的な人。
cuts no ice:効果がない。



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