2022年03月

2022年03月31日

You See In Me (from “El Capitan”)

You see in me, my friends,
A man of consummate bravery;
My inmost nature tends,
To free the world from all slavery,
This thought then cherish:
Though you perish
Crush out Spanish knavery.
To arms,
To arms,
For liberty.

(To arms, to arms,
For liberty.)

Behold El Capitan;
Gaze on his misanthropic stare,
Notice his penetrating glare;
Come match him if you can.
He is the champion beyond compare.

(Behold El Capitan.)

Gaze on his misanthropic stare,
Notice his penetrating glare.

(Come match him if you can.)

He is the champion beyond compare. (Compare.)

This campaign leave to me,
And have no further anxiety;
I’ll rid this land, you’ll see,
Of Don Medigua’s society,
And when I meet him,
I will greet him,
Without much propriety.
To arms,
To arms,
For liberty.

(To arms,
To arms,
For liberty.)

Behold El Capitan.
Gaze on his misanthropic stare.
Notice his penetrating glare;
Come match him if you can.
He is the champion beyond compare.

(Behold El Capitan.)

Gaze on his misanthropic stare.
Notice his penetrating glare.

(Come match him if you can.)

He is the champion beyond compare. (Compare.)

「君らの見る私は(「エル・カピタン」より)」

君らが見る私は、同胞よ
完璧に勇敢な男だ
我が内なる思いが自然と赴くのは
世界を奴隷のくびきから解放することだ
この思いを胸に抱き
たとえ無惨に死のうとも
スペインの非道を締め出すのだ
武器を取れ
武器を取れ
自由を得るのだ

(武器を取れ、武器を取れ
自由を得るのだ)

見よ「将軍様」を
刮目せよ、その人の世を厭う眼差しを
注視せよ、その鋭い眼光を
相手にできると言うなら競えばいい
あの方こそが比類なき勝利者なのだ

(見よ「将軍様」を)

刮目せよ、その人の世を厭う眼差しを
注視せよ、その鋭い眼光を

(相手にできると言うなら競えばいい)

あの方こそが比類なき(比類なき)勝利者なのだ

ここの戦略は私に任されているから
何も懸念することはないのだよ
私はこの国から追い払おう、見ているがいい
ドン・メディグアの朋輩を
私は奴めを迎え撃とう
礼儀などお構いなしだ
武器を取れ
武器を取れ
自由を得るのだ

(武器を取れ
武器を取れ
自由を得るのだ)

見よ「将軍様」を
刮目せよ、その人の世を厭う眼差しを
注視せよ、その鋭い眼光を
相手にできると言うなら競えばいい
あの方こそが比類なき勝利者なのだ

(見よ「将軍様」を)

刮目せよ、その人の世を厭う眼差しを
注視せよ、その鋭い眼光を

(相手にできると言うなら競えばいい)

あの方こそが比類なき(比類なき)勝利者なのだ

 ジョン・フィリップ・スーサ(John Philip Sousa、1854~1932年)による1896年初演のオペレッタ「エル・カピタン(El Capitan)」の中の楽曲です。リブレットと作詞はチャールズ・クライン(Charles Klein、1867~1915年)とトム・フロスト(Tom Frost、生没年未詳)。
 「エル・カピタン」はスペイン統治下のペルーで副王に任命されたドン・エリコ・メディグア(Don Errico Medigua)が反乱軍による暗殺を恐れて、反乱軍の首謀者エル・カピタン(El Capitan)と成り替わることから起こるドタバタを描いたもの。この楽曲は第一幕でエル・カピタンに扮したドン・メディグアが反乱軍の仲間に歌うもの。この歌を元にスーサは行進曲「エル・カピタン(El Capitan)」を書いています。行進曲は1909年にスーサの楽団(Sousa's Band)が録音を残し、その年のビルボードのヒットチャートで三位を記録しています。

consummate:申し分のない、熟練の、完全な。
bravery:勇敢、勇壮。
inmost:最も奥の、心の奥の。
cherish:大事にする。
perish:死ぬ、非業の死を遂げる。
Crush out:締め出す。
knavery:不埒な行為。
To arms:(号令)戦闘準備。
Behold:見よ。
El Capitan:スペイン語で統率者。
Gaze on:見つめる、熟視する。
misanthropic:人間嫌いの、厭世的な。
penetrating:よく通る、鋭い。
glare:ねめつけること、睨み。
match:対抗させる。
campaign:会戦、戦役。
anxiety:懸念。
society:団体、仲間。
propriety:礼儀。

スーサの楽団による演奏。後半が「エル・カピタン」のマーチです。
 

オペレッタでこの楽曲が歌われる場面。
 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1909年 | Sousa's Band

2022年03月30日

Dixie Land, I Love You!

When you hear music ringing,
Echoing far and near,
When you hear darkies singing
Songs that you live to hear,
When you recognize Dixie,
Something thrills you through;
That same feeling comes stealing,
When you see the Red White and blue.

Down in Dixie Land,
I will take my stand,
That’s where I long to be,
Darkies humin’ and banjos strumming
Bring back mem’ries to me.
I don’t want to roam,
Just to make my home,
Live till my day is through;
Dixie, Dixie land my old home so grand
I love you.

Down in Dixie Land,
I will take my stand,
That’s where I long to be,
Darkies humin’ and banjos strumming
Bring back mem’ries to me.
I don’t want to roam,
Just to make my home,
Live till my day is through;
Dixie, Dixie land my old home so grand
I love you.

Pickaninnies playing
’Round the old cabin door,
Makes me feel just like praying,
Dixie land evermore.
Land where cotton is growing,
Watermelon vine,
I just want to be going
Back to Dixie land mine.

Down in Dixie Land,
I will take my stand,
That’s where I long to be,
Darkies humin’ and banjos strumming
Bring back mem’ries to me.
I don’t want to roam,
Just to make my home,
Live till my day is through;
Dixie, Dixie land my old home so grand
I love you.

Down in Dixie Land,
I will take my stand,
That’s where I long to be,
Darkies humin’ and banjos strumming
Bring back mem’ries to me.
I don’t want to roam,
Just to make my home,
Live till my day is through;
Dixie, Dixie land my old home so grand
I love you.

「ディクシーの地よ、愛してる」

音楽の響きが聞こえてきたら
それが近く遠くにこだまするなら
黒ンボの歌声が聞こえてきたら
それが聞きたい歌で
ディクシーの調べだと気づいたなら
どこか胸の躍る気持ちがするだろう
それと同じ思いが密かに湧いてくるのさ
赤と白と青の旗印を目にした時にもね

遙かなるディクシーの地よ
僕の思いをはっきりと言うよ
かの地こそ我が心のよりどころと
黒ンボが鼻歌を歌い、バンジョーをかき鳴らす
思い出の地に僕を帰しておくれよ
さまよい続けていたくないんだ
故郷に帰れればいいのさ
そこで人生の終わりまで過ごすんだ
ディクシー、ディクシーの地、懐かしい素晴らしい故郷よ
僕は愛しているよ

遙かなるディクシーの地よ
僕の思いをはっきりと言うよ
かの地こそ我が心のよりどころと
黒ンボが鼻歌を歌い、バンジョーをかき鳴らす
思い出の地に僕を帰しておくれよ
さまよい続けていたくないんだ
故郷に帰れればいいのさ
そこで人生の終わりまで過ごすんだ
ディクシー、ディクシーの地、懐かしい素晴らしい故郷よ
僕は愛しているよ

黒ンボのガキが遊んでるよ
古びた小屋の戸口の前で
僕は祈りたくなってくるんだ
ディクシーの地よ永遠にと
かの地では綿が育ち
スイカが蔓を這わす
僕はただ行きたいと思ってるんだ
我がディクシーの地に帰りたいとね

遙かなるディクシーの地よ
僕の思いをはっきりと言うよ
かの地こそ我が心のよりどころと
黒ンボが鼻歌を歌い、バンジョーをかき鳴らす
思い出の地に僕を帰しておくれよ
さまよい続けていたくないんだ
故郷に帰れればいいのさ
そこで人生の終わりまで過ごすんだ
ディクシー、ディクシーの地、懐かしい素晴らしい故郷よ
僕は愛しているよ

遙かなるディクシーの地よ
僕の思いをはっきりと言うよ
かの地こそ我が心のよりどころと
黒ンボが鼻歌を歌い、バンジョーをかき鳴らす
思い出の地に僕を帰しておくれよ
さまよい続けていたくないんだ
故郷に帰れればいいのさ
そこで人生の終わりまで過ごすんだ
ディクシー、ディクシーの地、懐かしい素晴らしい故郷よ
僕は愛しているよ

 アメリカの音楽家で作家や俳優としても活躍したA・シーモア・ブラウン(A. Seymour Brown、1885~1947年)が作詞し、アメリカの作曲家でピアニストのナット・D・エイアー(Nat D. Ayer、1887~1952年)が曲を付けたクーンソングです。ビリー・マレイ(Billy Murray、1877~1954年)のレコードが、1909年のビルボードのヒットチャートで三位を記録しています。

darkies:黒人、肌の黒い人。
live to hear:おそらくlove to hear。
Dixie:アメリカ南東部一帯を指す言葉。ここではダン・エメット(Dan Emmett、1815~1904年)が1859年に発表した楽曲「ディクシーの地(Dixie’s Land)」(http://yogaku-manyoshu.blog.jp/archives/7668437.html)のこと。
thrill:ドキドキさせる、興奮させる。
Red White and blue:合衆国の国旗の色。
Pickaninnies:黒人の子供。差別的なニュアンスがあるので現在は使わない。




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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1909年 | Billy Murray

2022年03月29日

Beautiful Isle of Somewhere

Somewhere the sun is shining,
Somewhere the songbirds dwell;
Hush, then, thy sad repining;
God lives, and all is well.

Somewhere,
Somewhere,
Beautiful Isle of Somewhere!
Land of the true, where we live anew
Beautiful Isle of Somewhere!

Somewhere the day is longer,
Somewhere the task is done;
Somewhere the heart is stronger,
Somewhere the guerdon won.

Somewhere,
Somewhere,
Beautiful Isle of Somewhere!
Land of the true, where we live anew
Beautiful Isle of Somewhere!

Somewhere the load is lifted,
Close by an open gate;
Somewhere the clouds are lifted,
Somewhere the angels wait.

Somewhere,
Somewhere,
Beautiful Isle of Somewhere!
Land of the true, where we live anew
Beautiful Isle of Somewhere!

「どこかにある美しい島」

どこかでは太陽が輝いて
どこかには歌鳥が留まる
悲しみに嘆く声は抑えよう
神は生きて、全て満たされるから

どこかにある
どこかにある
どこかにある美しい島
誠実な者の地で、我らは新たな生を得る
どこかにある美しい島で

どこかでは一日がより長く
どこかでは業績がなされている
どこかでは心はより強く
どこかでは報いを得られる

どこかにある
どこかにある
どこかにある美しい島
誠実な者の地で、我らは新たな生を得る
どこかにある美しい島で

どこかでは重荷が取り払われる
開かれた門の前で
どこかでは雲が吹き払われ
どこかでは天使たちが待ち受ける

どこかにある
どこかにある
どこかにある美しい島
誠実な者の地で、我らは新たな生を得る
どこかにある美しい島で

 アメリカで賛美歌の作詞をしていたジェシー・ブラウン・パウンズ(Jessie Brown Pounds、1861 – 1921年)が1896年に書いた詩「美しい島(Beautiful Isle)」を、翌1897年に教会音楽の作曲家ジョン・シルヴェスター・フェアリス(John Sylvester Fearis、1867~1932年)が五ドルで買い取って曲を付けたもの。1901年に暗殺されたアメリカ合衆国大統領ウィリアム・マッキンリー(William McKinley、1843~1901年)の葬儀で歌われたことにより、広く知られるようになりました。
 ビルボードのヒットチャートでは、1909年にカナダとアメリカ合衆国で活動していたテノール歌手ハロルド・ジャーヴィス(Harold Jarvis、1864~1924年)の歌ったものが三位を、1916年のジョン・マコーマック(John McCormack、1884~1945年)のものが四位を記録しています。

dwell:とどまる。
repine:不平を言う、嘆く。
anew:改めて、新たに。
guerdon:褒賞、報い。
load:重荷。

ハロルド・ジャーヴィスの歌唱


ジョン・マコーマックの歌唱
 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1909年 | Harold Jarvis

2022年03月28日

When I Dream in the Gloaming of You

Seems I must have dreamed a dream,
Of some other world ’twould seem,
Where we spent love’s happy hours, you and I;
There the birds in joyous song, sang of love the whole day long,
The soft winds seemed to breathe a peaceful sigh.
I think I see you best as the sun sinks down to rest,
For ’tis then I kissed your lips and said Goodbye;
Then you seemed to fade away, like the night before the day,
And left me here alone to wonder why.

I dream in the gloaming of you,
Of days when I know you were true,
A rose nearly grown, all your Innocence shown,
In beautiful eyes of blue;
I see you as if in a dream,
Smile back in the fire light’s gleam;
I love you yet, and I cannot forget,
When I dream in the gloaming of you.

Dear old summer said farewell,
And the winter came to dell,
And the little birds have southward taken flight;
It is Christmas Eve again, with it’s gladness and it’s pain,
I wonder girlie where you are tonight;
I hope you’re happy there, that you never have a care,
But some day when beauty’s gone, you’ll cease to roam.
Then if you should need a friend, until life for me shall end,
I’ll be waiting here to welcome you back home.

I dream in the gloaming of you,
Of days when I know you were true,
A rose nearly grown, all your Innocence shown,
In beautiful eyes of blue;
I see you as if in a dream,
Smile back in the fire light’s gleam;
I love you yet, and I cannot forget,
When I dream in the gloaming of you.

「黄昏の中、君を夢見る」

どうも僕は夢でも見ていたのに違いない
見たところ、どこか別の世界のことを
そこで僕らは恋人同士の幸せな時を過ごしていたんだ、君と僕とでね
そこでは小鳥たちが喜びの歌声で、日がな一日、愛を歌っていたんだよ
吹く風も穏やかで、まるで安らかにため息をついているようで
思うんだ、君が一番きれいに見えるのは、太陽が眠りに就こうと沈んでいく時だと
そこで僕は君の唇に口づけして、さよならを言ったんだ
君の姿はかき消えていくようだったよ、まるで朝が来るのを前にした夜のように
それで僕はここに一人とり残されて、自問しているんだよ

黄昏の中、君を夢見ているんだ
君が誠実だと信じられた日々のことを
バラの花がほころび始めている、君の無垢さを表すのは
美しく真っ青な瞳
まるで夢の中にいるように、僕が君を見ていると
炎の放つ光の輝きの中で微笑み返してくれる
今も君を愛しているんだ、忘れられるはずもない
黄昏の中、君を夢見ているのだから

愛おしく懐かしい夏の日は別れを告げ
木の茂る谷間にも冬が訪れると
小鳥たちも南の空へと飛び去っていった
またクリスマス・イヴが来たよ、喜びの日、悲しみの日だ
さて君は今夜、どこにいるのだろうか
そこで幸せにしているといいのだけれど、不安と無縁でいてくれたら
けど、いつの日か美しさは衰えて、君もさすらうのをやめるだろう
その時、友を求めてくれるのなら、僕の生命の尽きる時まで
僕はここで持ち続けて、君の帰りを温かく迎えることにしよう

黄昏の中、君を夢見ているんだ
君が誠実だと信じられた日々のことを
バラの花がほころび始めている、君の無垢さを表すのは
美しく真っ青な瞳
まるで夢の中にいるように、僕が君を見ていると
炎の放つ光の輝きの中で微笑み返してくれる
今も君を愛しているんだ、忘れられるはずもない
黄昏の中、君を夢見ているのだから

 ハーバート・イングラム(Herbert Ingraham、1882~1910年)作詞作曲によるセンチメンタルな楽曲です。アメリカのテノール歌手ウォルター・ヴァン・ブラント(Walter Van Brunt、1892~1971年)のレコードが、1909年のビルボードのヒットチャートで三位を記録しています。ヴァン・ブラントはビリー・マレイ(Billy Murray、1877~1954年)の物真似で知られるようになり、その後、エイダ・ジョーンズ(Ada Jones、1873~1922年)やアメリカン・カルテット(The American Quartet)と共に歌うようになりました。

’twould:it would。
joyous:joyful。
’tis:it is。
gloaming:黄昏、夕暮れ、薄明かり。
dell:樹木の茂った谷。

 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1909年 | Walter Van Brunt

2022年03月27日

That Wasn’t All

When first Blink met the girl he loved ’twas on a summer eve
They sat upon the sofa it was almost time to leave
The nightingale was singing and the moon shone fair and bright
And so to save expenses why he then turned out the light.

That wasn’t all that wasn’t all
He threw his arms about the Miss
That wasn’t all that wasn’t all
He tho’t he gave his girl a kiss.
That wasn’t all he near dropped dead
His face turned blue and then turned red
He kissed not her but pa instead
That wasn’t all, that wasn’t all.

To make the matter worse for him next night he saw a chap
Call at the home of Lady Fair, his face he longed to slap
He didn’t know his rival was a pugilist of might
And foolishly alas alack he challenged him to fight.

That wasn’t all that wasn’t all
For when they met he felt like ice
That wasn’t all that wasn’t all
He feinted once Blink feinted twice
That wasn’t all with aching head
He found himself bound up in bed
“Do you think he’ll live” the nurse then said
That wasn’t all, that wasn’t all.

At last her pa relented, they were married in the fall
Domestic happiness was his she was his all in all
A year passed by and Christmas came his wife presented Blink
With ties and canes cigars a cradle and well, let me think.

That wasn’t all that wasn’t all
I asked the nurse “Is it a boy”
That wasn’t all that wasn’t all
For she replied in manner coy.
“That isn’t all” I think I yelled
To gasp for breath I was compelled
Two bouncing babies I beheld
That wasn’t all, that wasn’t all.

When first I saw Miss Swell-a-fair she looked the perfect peach
But goodness! a diff’rence when I saw her at the beach
There was method in her padness then, now sadness was her share,
In ball rooms she might be a peach she was a lemon there.

That wasn’t all that wasn’t all
Her rosy cheeks were red no more
That wasn’t all that wasn’t all
The druggist moved the day before.
That wasn’t all ’twas plain to see
When she went floating in the sea
She was half girl and half a tree
That wasn’t all, that wasn’t all.

Added Verses

Miss Fluffy Ruffles takes a walk upon a summer day
She’d heard about that building called the “Flat-Iron” on Broadway
She stops at twenty-third street, and the massive structure sees
But while she stands there, gazing up, up, also comes a breeze!

That wasn’t all! — That wasn’t all!
Above her shoes she felt a draught!
That wasn’t all! — That wasn’t all!
It sounded as if someone laughed!
That wasn’t all! — the horrid men
Stared as the breeze blew up again;
She showed her indignation then,
That wasn’t all! — That wasn’t all!

Good Mrs. Glyn wrote something which with passion simply reeks;
As none of you have read it, I will tell about “Three Weeks.”
An Englishman whose name was Paul a Russian Princess met
She did not know him, yet she cried “I Love you, Paul, my pet!”

That wasn’t all! — That wasn’t all!
She simply loved her Paul to death!
That wasn’t all! — That wasn’t all!
She singed his eyebrows with her breath!
That wasn’t all! — his lips she press’d,
But there! — I couldn’t read the rest;
I closed the book, — but kind of guess’d,
That wasn’t all! — That wasn’t all!

To Teddy at the White House once a Nature-Faker came
He tried to prove that elephants and lobsters were the same!
That both were hatched from hard-boiled eggs by a hen with gold-filled teeth!
Then Teddy sharpen’d up his tongue and drew it from its sheath.

That wasn’t all! — That wasn’t all!
The Faker proved that crabs are birds!
That wasn’t all! — That wasn’t all!
T. R. let loose a million words!
That wasn’t all! — Said Ted “As yet,
Of liars you’re the worst I’ve met!”
Tho’ he says that’s all he said, I’ll bet
That wasn’t all! — That wasn’t all!

It’s “Peace on earth, good will to men!” our motto ought to be,
And so with our Pacific Fleet we’re adding “Peace at sea!”
Then Roosevelt saw Bob Evans off he said, “Good luck, old chap!
Remember you are out for peace, and not to seek a scrap!”

That wasn’t all! — That wasn’t all!
Ted handed Evans one big wink!
That wasn’t all! — That wasn’t all!
Bob’s eye replied “Well, what d’you think?”
That wasn’t all! Said Bob “’Tis well;
In case some nation might raise (hem!)
I gave each ship one loaded shell!
That wasn’t all! — That wasn’t all!

「それだけじゃない」

ブリンクが初めて愛する女性と巡り会ったのは、夏の日の夕暮れだった
二人はソファに座っていたけれど、別れの時間が迫っていたんだ
小夜啼き鳥が歌っていて、月は明るく輝いていたよ
それで節約のために、青年は灯りを消したんだ

それだけじゃない、それだけじゃないよ
青年はその腕をお嬢さんの身体に回したんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
青年は恋人に口づけしてやろうと思ったんだ
それだけじゃない、青年は死ぬとこだったんだよ
その顔は真っ青になって、それから真っ赤になったんだ
青年は娘さんじゃなくてね、父親に口づけしてたんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ

それよりもなお悪いことに、次の晩、青年は男を見かけたんだよ
麗しい乙女の家を訪ねてきたんだ、青年は平手打ちしてやろうと思ったんだ
知らなかったんだね、恋の競争相手が力持ちの拳闘家だったなんて
愚かにも哀れにも惨めにも、青年はそいつに決闘を申し込んだんだよ

それだけじゃない、それだけじゃないよ
対面した時に、青年は氷のように感じたんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
まず一度気絶して、ブリンクは二度も気絶したんだ
それだけじゃない、痛む頭を抱えて
気づいたら青年はベッドに括り付けられてたんだ
「先生、この人、生きられるでしょうか」看護婦さんが言ってたんだよ
それだけじゃない、それだけじゃないよ

ようやく娘さんの父親も折れて、二人は秋に結婚したんだ
青年は家庭の幸せを手に入れて、娘さんはすっかり青年のものになったのさ
一年が過ぎて、クリスマスが来る頃に、奥さんはブリンクに贈り物をしたんだ
ネクタイにケインの葉巻に、揺かごやら何やら、そういう事になると

それだけじゃない、それだけじゃないよ
看護婦さんに聞いたんだ「男の子ですか」
それだけじゃない、それだけじゃないよ
もじもじしながら、その人は答えたんだ
「それだけじゃない」って、僕は悲鳴を上げたんじゃないかな
思わず息を呑んだよ、僕に押し付けられたのは
二人の元気な赤ちゃん、僕は抱っこさせられたんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ

初めてスウェル嬢と会った時には、あの人は熟れた桃みたいに完璧だったんだ
どうしたんだろうね、海岸で会った時には、すっかり変わっていたんだよ
あの人の歩き振りは独特の所作があったけど、今してるのは悲しみの所作らしかった
舞踏会では欠けたところのない桃の実で、海岸ではいいところのないレモンの実

それだけじゃない、それだけじゃないよ
バラ色だった頬も、もう赤くはないんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
一日前に薬剤師が引っ越してしまったんだってさ
それだけじゃない、よく見えてたよ
あの人が波間を漂っていると
半分は娘さんで、半分は棒きれみたいだtたよ
それだけじゃない、それだけじゃないよ

追加の歌詞

フラッフィ・ラフルズ嬢が、ある夏の日に散歩してたんだ
噂を聞きつけたんだよ、ブロードウェイの「フラットアイアン」ってビルのことを
二三番街で足を止めると、巨大な建造物に目をやったんだ
けど、そこに立って、見上げていたら、つむじ風が吹き上げたんだよ

それだけじゃない、それだけじゃないよ
靴の方から、風が吹き上げるのを感じたんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
まるで誰かがバカにして笑ってるみたいなんだ
それだけじゃない、意地悪な男たちが
じっと見てたんだ、また風が吹いてきたからね
娘さんは大いに憤慨してたんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ

賢いグリン夫人は何やら感情の溢れるままに書き綴っていたんだよ
誰も読んだことないだろうから、「三週間」のことを教えてあげよう
ポールって名前の英国人がね、ロシアの姫さまと出会うのさ
よく知りもしないのに、姫さまは叫んだんだ「アイシテル、ポール、かわいい人」

それだけじゃない、それだけじゃないよ
姫さまはポールを愛するあまり死んじまうんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
姫さまは青年の顔に歌いかけたんだ、吐息を吹きかけてね
それだけじゃない、青年の唇に姫さまは押し当てたんだ
そこまで! これ以上は読めなかったね
俺は本を閉じたね、けど想像はつくさ
それだけじゃない、それだけじゃないよ

ホワイトハウスのテディのところに、自然偽証者がやって来たんだ
証明しようとしたんだぜ、象とロブスターは一緒なんだって
どっちも肩ゆで卵から生まれるとか、その卵も金歯の雌鳥が生むんだってさ
テディは舌を鋭く研いで、鞘から抜き放ってみせたんだ

それだけじゃない、それだけじゃないよ
偽証者はカニが鳥類だって証明したんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
TR氏は百万語も言い放ったんだ
それだけじゃない、テッドは言ったね「これまでで
今まで会った中で最低の嘘つきだ」
大統領が言ったのはこれだけだけど、思うに
それだけじゃない、それだけじゃないよ

「世界に平和を、人には善を」我らのモットーかくあるべしだ
ここに我らが太平洋艦隊で「海に平和を」を加えてやろう
ローズベルトはボブ・エヴァンズの出港を見て言ったんだ「幸運を、同志よ
平和のために出かけることを忘れるなよ、ゴミ拾いに行くんじゃないんだ」

それだけじゃない、それだけじゃないよ
テッドはエヴァンズに大きくウインクしてみせたんだ
それだけじゃない、それだけじゃないよ
ボブは目で答えたんだ「なあ、どう思うんだ」
それだけじゃない、ボブは言ったんだ「いいだろう
もし、どこかの国がでしゃばって来たら(エヘン)
船一艘毎に砲弾を撃ち込んでやろう」
それだけじゃない、それだけじゃないよ

 1908年初演のミュージカル「魂の口づけ(The Soul Kiss)」の劇中歌です。作詞はブロードウェイで作詞家、台本作家として活躍していたアディソン・バークハート(Addison Burkhardt、1879~1937年)。作曲はアメリカの作曲家ルイス・A・ハーシュ(Louis A. Hirsch、1887~1924年)。フランス生まれのアメリカの俳優で歌手のラルフ・C・ハーズ(Ralph C. Herz、1878~1921年)の残した録音が、1909年のビルボードのヒットチャートで三位を記録しています。

tho’t:thought。
chap:男、やつ。
Call at:立ち寄る。
slap:平手打ちする。
pugilist:拳闘家。
alas:残念なことに。
alack:悲しいかな。
relent:態度を和らげる。
canes cigars:おそらくCain’s cigars。Cainはオリバ葉巻株式会社(Oliva Cigar Co.)のブランドの一つ。
coy:はにかんだように。
gasp:息を飲む。
compell:強いる。
bouncing:元気一杯の。
peach:魅力的な人。
padness:おそらく、足取り、足運び。
lemon:愚か者。
druggist:薬剤師。おそらくMiss Swellの恋人。
Flat-Iron:フラットアイアンビルディング。ニューヨークのランドマークの一つとなっている高層ビル。衣類用のアイロンを思わせる三角形をしている。
horrid:意地の悪い。
indignation:怒り、忿怒。
Mrs. Glyn:エリナー・グリン(Elinor Glyn、1864~1943年)。英国のロマンス小説作家、脚本家。
Three Weeks:1907年初版のエリナー・グリンによる官能小説「三週間(Three Weeks)」。
Paul:小説「三週間」の主人公である英国人の青年。
Russian Princess:小説「三週間」で主人公と恋仲になる人妻でロシア属国の王妃。
loved her Paul to death:小説「三週間」でヒロインは亭主である国王に殺される。
Teddy at the White House:セオドア・ローズベルト(Theodore Roosevelt、1858~1919年)。当時のアメリカ合衆国大統領。
Nature-Faker:当時、ローズベルト大統領まで巻き込んだ、自然科学と文学上の表現にまつわる論争から。当時人気のあった動物目線で自然を語るアーネスト・トンプソン・シートン(Ernest Thompson Seton、1860~1946年)やウィリアム・J・ロング(William J. Long、1867、1952年)の小説に対し、自然は動物を擬人化することなしに客観的に記述すべきであるという立場をとったジョン・バロウズ(John Burroughs、1837~1921年)が非難したことから論争となった。バロウズの友人でもあったローズベルトは雑誌記事の中でロングを「自然偽証者(Nature-Faker)」と呼び批判した。
Peace on earth, good will to men!」ヘンリー・ワッズワース・ロングフェロー(Henry Wadsworth Longfellow、1807~1882年)の1863年の詩「クリスマスの日に鐘の音を聞いた(I Heard the Bells on Christmas Day)」からの引用。
Pacific Fleet:太平洋艦隊。
Bob Evans:ロブリー・D・エヴァンズ(Robley D. Evans、1846~1912年)。アメリカ海軍の提督。
shell:砲弾。




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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1909年 | Ralph C. Herz
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