2020年12月

2020年12月24日

Give My Regards to Davy

Give my regards to Davy,
Remember me to Tee Fee Crane.
Tell all the pikers on the Hill
That I’ll be back again.
Tell them just how I busted
Lapping up the high highball.
We’ll all have drinks at Theodore Zinck’s
When I get back next fall!

「デイヴィーによろしく」

デイヴィーによろしく言っといてくれよ
ティー・フィー・クレーンにも挨拶しといてくれ
丘の上にいる新入生どもにも
伝えといてくれよ、俺は逮捕されちまったってさ
ハイボールで楽しくやってハイになったせいさ
みんなでシオドア・ジンクに飲みに行こうぜ
来年の秋に俺がシャバに戻ったらさ!

 ジョージ・M・コーハン(George M. Cohan、1878~1942年)の「ブロードウェイによろしく(Give My Regards to Broadway)」(http://yogaku-manyoshu.blog.jp/archives/7600597.html)の替え歌で、コーネル大学の応援歌です。寮のルームメイトであったチャールズ・E・トゥーリソン(Charles E. Tourison、生没年未詳)、W・L・アムスタッド(W. L. Umstad、生没年未詳)、ビル・フォーブズ(Bill Forbes、生没年未詳)の三人によって、1904年から1906年にかけて作られました。

Davy:David Fletcher “Davy” Hoy、1863~1930年。当時のコーネル大学の教務官。厳格なことで知られ、学生から恐れられていました。
Tee Fee Crane:Thomas Frederick Crane、1844~1927年。アメリカの民俗学者で、コーネル大の言語学の教授。Hoyとは対照的に学生に寛容なことで知られ、人気がありました。
pikers:本来の意味はしみったれ。ここでは大学の俗語で新入生。
the Hill:コーネル大は氷河時代に形成された丘陵地の斜面に立地しています。
lap up:受け入れる、楽しむ。
Theodore Zinck:かつてコーネル大近郊にあったバー。

コーネル大学楽団(Cornell University Band)による演奏
 



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hanmyo at 18:00|PermalinkComments(0)1906年 

Give My Regards to Broadway

Did you ever see two Yankees part upon a foreign shore,
When the good ship’s just about to start for Old New York once more?
With tear-dimmed eye they say goodbye, they’re friends without a doubt;
When the man on the pier
Shouts, “Let them clear,” as the ship strikes out.

Give my regards to Broadway, remember me to Herald Square,
Tell all the gang at Forty-Second street, that I will soon be there:
Whisper of how I’m yearning,
To mingle with the old time throng.
Give my regards to old Broadway and say that I’ll be there e’er long.

Say hello to dear old Coney Isle, if there you chance to be,
When you’re at the Waldorf have a smile and charge it up to me;
Mention my name ev’ry place you go, as ’round the town you roam;
When you’d call on my gal,
Now remember, old pal, when you get back home.

Give my regards to Broadway, remember me to Herald Square,
Tell all the gang at Forty-Second street, that I will soon be there:
Whisper of how I’m yearning,
To mingle with the old time throng.
Give my regards to old Broadway and say that I’ll be there e’er long.

「ブロードウェイによろしく」

ヤンキー二人を見たことないか、外国の海岸から旅立とうとしてるんだよ
この素晴らしい船は出港するところなのさ、懐かしのニューヨークへの帰り道に向けて
涙で視界を曇らせて、さよならを言ってるんだ、疑いもなくこいつらは親友だね
桟橋に立った男が
言い放ったよ「出港だ」船が動き始めたらね

ブロードウェイによろしく、ヘラルドスクエアに挨拶しよう
四十二番街のみんなに伝えておくれ、俺もすぐにそっちに行くって
どれだけ俺が恋しく思ってるか囁いてくれよ
昔の仲間たちと集まりたくってさ
懐かしきブロードウェイによろしく、遠からず帰ると伝えておくれ

懐かしきコニーアイランドにこんにちは、伝える機会があったらでいいよ
ウォルドーフに泊まるのなら、にっこり笑って料金は俺につけてくれればいい
行く先々で俺の名前を広めてくれよ、どこかの街に行く度にさ
俺の女と会うことがあれば
伝えといてくれ、兄弟、故郷に帰った時にさ

ブロードウェイによろしく、ヘラルドスクエアに挨拶しよう
四十二番街のみんなに伝えておくれ、俺もすぐにそっちに行くって
どれだけ俺が恋しく思ってるか囁いてくれよ
昔の仲間たちと集まりたくってさ
懐かしきブロードウェイによろしく、遠からず帰ると伝えておくれ

 1904年のミュージカル「リトル・ジョニー・ジョーンズ(Little Johnny Jones)」からの一曲。「リトル・ジョニー・ジョーンズ」は実在の騎手トッド・スローン(Tod Sloan、1874~1933年)をモデルにしたストーリーで、アメリカ発のミュージカルとも言われています。作詞作曲はアメリカの劇作家、作曲家で俳優でもあったジョージ・M・コーハン(George M. Cohan、1878~1942年)。コーハンは初演の舞台では主役のジョニーを演じました。
 当時の録音では、ビルボードのヒットチャートでビリー・マレイ(Billy Murray、1877~1954年)のものが一位を、S・H・ダドリー(S. H. Dudley、1864~1947年)フランク・カーネル(Frank Kernell)の変名で歌ったものが四位を記録しています。1942年に作られたコーハンの伝記映画「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ(Yankee Doodle Dandy)」では主演のジェームズ・キャグニー(James Cagney、1899~1986年)が、この歌を含めコーハンの楽曲を何曲か披露しています。

Yankees:広義にはアメリカ人、狭義にはニューイングランド住民、南北戦争時の北軍兵を指す言葉。
pier:桟橋。
regards:よろしくの挨拶。
Broadway:ニューヨークの劇場街。
remember me to:私からよろしくと伝える。
Herald Square:ブロードウェイに隣接する商業区域。
Forty-Second street:ブロードウェイ中央を通る大通り。
mingle with:人と交流する。
Coney Isle:Coney Island。ニューヨーク近郊の遊興区域。
Waldorf:Waldorf–Astoria。ニューヨークにあった高級ホテル。

ビリー・マレイの歌唱
 

S・H・ダドリーの歌唱
 

「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」でのジェームズ・キャグニー 
 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1905年 | Billy Murray

2020年12月20日

Fascination

It was fascination, I know
And it might have ended right there at the start
Just a passing glance, just a brief romance
And I might have gone on my way empty-hearted

It was fascination, I know
Seeing you alone with the moonlight above
Then I touched your hand and next moment I kissed you
Fascination turned to love

「魅惑」

魅力に惑わされただけ、そんなの分かってる
きっと初めから、もう終わりが見えているでしょう
ただの通りすがりの一瞥、ただのひと時だけの色恋
あとは自分の道を行くだけ、空っぽの心を抱えて

魅力に惑わされただけ、そんなの分かってる
一人立つあなたを見る、その頭上には月の光
それで私はあなたの手を取って、次の瞬間、あなたにキスしていた
魅惑が愛情へと変わったから

 フェルモ・ダンテ・マルチェッティ(Fermo Dante Marchetti、1876~1940年)作曲の「ジプシー風ワルツ(Valse Tzigane)」を原曲とした「魅惑(Fascination)」(http://yogaku-manyoshu.blog.jp/archives/7571171.html)にアメリカのソングライター、ディック・マニング(Dick Manning、1912~1991年)が英語詞を付けたもの。
 1957年、ビルボードのヒットチャートでジェーン・モーガン(Jane Morgan、1924年~)のものが十一位、ダイナ・ショア(Dinah Shore、1916~1994年)のものが九十八位を記録しています。他にはナット・キング・コール(Nat King Cole、1919〜1965年)も歌っています。日本では1965年に美空ひばりが歌ったものが後に化粧品や自動車のCMに使用されました。

ジェーン・モーガンの歌唱
 

ダイナ・ショアの歌唱
 

ナット・キング・コールの歌唱
 



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hanmyo at 18:00|PermalinkComments(0)1957年 | Jane Morgan

Fascination

Je t’ai rencontré simplement
Et tu n’as rien fait pour chercher à me plaire
Je t’aime pourtant
D’un amour ardent
Dont rien, je le sens, ne pourra me défaire.
Tu seras toujours mon amant
Et je crois en toi comme au bonheur suprême.
Je te fuis parfois, mais je reviens quand même
C’est plus fort que moi… je t’aime!

Lorsque je souffre, il me faut tes yeux
Profonds et joyeux
Afin que j’y meure,
Et j’ai besoin pour revivre, amour,
De t’avoir un jour
Moins qu’un jour, une heure,
De me bercer un peu dans tes bras
Quand mon cœur est las,
Quand parfois je pleure.
Ah! crois-le bien, mon chéri, mon aimé, mon roi,
Je n’ai de bonheur qu’avec toi.

「魅惑」

あなたとはまだ出会ったばかりなのに
あなたの方から私を振り向かせようとなんてしていないのに
それなのに愛してしまったの
熱烈に愛しているの
誰にもできないと、私は思うの、この恋を諦めさせるなんて
あなたはいつまでも私の愛する人だから
私は信じているの、あなたが最高の幸福なのだと
あなたから逃れようとしても、いつも戻ってしまうの
自分よりも大切なものだから……あなたを愛しているから!

思い悩んでいる時も、あなたの目を見れば大丈夫
どこまでも深くて、どこまでも幸せで
そこで死ねたらいいと思うの
でも、やはり生きていたいと思うの、愛しい人
いつの日かあなたを自分のものにするために
一日でなくてもいい、一時間だけでも
あなたの腕の中で、しばらく慰めてもらえたら
心が挫けた時でも
泣いている時でも
ああ、信じて欲しいの、私の恋する人、私の愛しい人、私の王様
あなたといる時だけ私は幸せになれるの

 原曲はイタリアに生まれフランスで活躍した作曲家フェルモ・ダンテ・マルチェッティ(Fermo Dante Marchetti、1876~1940年)が1904年に出版したピアノ曲「ジプシー風ワルツ(Valse Tzigane)」。ポーレット・ダルティ(Paulette Darty、1871~1939年)が歌えるように、モーリス・ド・フェローディ(Maurice de Féraudy、1859~1932年)が詩を付けました。世界的に知られるようになったのは、1957年に映画「昼下がりの情事(Love in the Afternoon)」で効果的に使用されたことから。ロシア生まれのアメリカのソングライター、ディック・マニング(Dick Manning、1912~1991年)が英語詞を付け、ジェーン・モーガン(Jane Morgan、1924年~)、ダイナ・ショア(Dinah Shore、1916~1994年)、ナット・キング・コール(Nat King Cole、1919~1965年)等の歌手が歌っています。日本では「魅惑のワルツ」のタイトルで知られています。

 ネットでは
ポーレット・ダルティの歌唱は見つけられませんでした。YouTubeではフランスのソプラノ、マテ・アルテリ(Mathé Altéry、1927年〜)が1955年にフルコーラスで歌ったものがありました。
 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1904年 | Paulette Darty

2020年12月17日

Peggy Brady

Did you ever hear tell
of a sweet little girl?
Brady was her name;
Lighthearted and merry,
Her folks came from Kerry,
So she was not to blame;
She was bashful and coy,
But I was her boy
And she always behaved like a lady,
She won all the hearts
Of the lads in those parts,
Did little Peggy Brady.

Peggy Brady
Came from County Kerry;
Her cheeks like a rose, a tilt to her nose
And lips with the bloom of the cherry;
With a touch of the blarney,
Brought out from Killarney,
My sweetheart was always a lady;
No one could be neater,
Nor ever be sweeter,
Than pretty Peggy Brady.

With Peggy I’d rove
Through woodland and grove,
Happy with my dear;
At ev’ning we’d roam
T’wards my happy home,
I’d whisper in her ear;
Though long years have flown
Since I saw my own,
My mem’ry can never grow shady;
No time can efface,
The sweet look on the face
Of little Peggy Brady.

Peggy Brady
Came from County Kerry;
Her cheeks like a rose, a tilt to her nose
And lips with the bloom of the cherry;
With a touch of the blarney,
Brought out from Killarney,
My sweetheart was always a lady;
No one could be neater,
Nor ever be sweeter,
Than pretty Peggy Brady.

「ペギー・ブレイディー」

耳にしたことはないかな
若くてかわいい娘のことを
ブレイディーって名前なんだよ
明るくて陽気でね
家族そろってケリーから来たのさ
あの娘には何も悪いとこがないのさ
あの娘は内気な恥ずかしがり屋だけど
僕はあの娘の恋人なのさ
いつも、あの娘は淑女のような仕草で
みんなの心をつかんだのさ
隣近所の男子どもの心をね
それがかわいいペギー・ブレイディーなのさ

ペギー・ブレイディー
ケリー郡からやって来たのさ
その頬はバラのようで、沿った鼻で
唇はほころんだ桜の花
お世辞も少しばかりあるけど
キラーニーで生まれたのさ
いつだって僕の恋人は淑女なんだ
誰よりもしゃんとしていて
誰よりもかわいくって
それよりも素敵なペギー・ブレイディーなのさ

ペギーを連れて僕は散歩するのさ
森や木立の中をね
恋人といられれば幸せなんだ
日暮れに二人で歩くのさ
僕の幸せな家へとね
僕はあの娘の耳元に囁きたいのさ
長い年月が過ぎて行ったけれど
僕の宝物を見つけてからね
思い出は色あせたりしていないんだよ
時間には拭い去れないのさ
かわいらしさが顔に宿っているのさ
うら若いペギー・ブレイディーのね

ペギー・ブレイディー
ケリー郡からやって来たのさ
その頬はバラのようで、沿った鼻で
唇はほころんだ桜の花
お世辞も少しばかりあるけど
キラーニーで生まれたのさ
いつだって僕の恋人は淑女なんだ
誰よりもしゃんとしていて
誰よりもかわいくって
それよりも素敵なペギー・ブレイディーなのさ

 1904年初演のミュージカル「香料の島(The Isle of Spice)」の中の一曲。作詞はアレン・ロウ(Allen Lowe、生没年未詳)。作曲はベンジャミン・M・ジェローム(Benjamin M. Jerome、1881~1938年)とポール・シンドラー(Paul Schindler、生没年未詳)。ハリー・マクドナフ(Harry Macdonough、1871~1931年)の歌ったものが、1904年にビルボードのヒットチャートで五位を記録しています。

hear tell of 〇〇:〇〇の噂を聞く。
Kerry:アイルランド南西部の県(county)。
bashful:内気な、はにかんだ。
coy:内気な、はにかんだ。
Peggy Brady:PeggyはMargaretの愛称。Bradyはアイルランド系の姓。
blarney:お世辞、戯言。
Killarney:Kerryにある三つの湖。
rove:ぶらつく。
grove:木立。
roam:ぶらつく。
efface:拭い去る。

 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1904年 | Harry Macdonough
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