2020年01月

2020年01月31日

Under The Bamboo Tree

Down in the jungles lived a maid,
Of royal blood though dusky shade,
A marked impression once she made,
Upon a Zulu from Matabooloo;
And ev’ry morning he would be
Down underneath the bamboo tree,
Awaiting there his love to see
And then to her he’d sing:

If you lak-a-me lak I lak-a-you
And we lak-a-both the same,
I lak-a-say,
This very day,
I lak-a change your name;
’Cause I love-a-you and love-a you true
And if you-a love-a me.
One live as two, two live as one,
Under the bamboo tree.

And in this simple jungle way,
He wooed the maiden ev’ry day,
By singing what he had to say;
One day he seized her
And gently squeezed her.
And then beneath the bamboo green,
He begged her to become his queen;
The dusky maiden blushed unseen
And joined him in his song.

If you lak-a-me lak I lak-a-you
And we lak-a-both the same,
I lak-a-say,
This very day,
I lak-a change your name;
’Cause I love-a-you and love-a you true
And if you-a love-a me.
One live as two, two live as one,
Under the bamboo tree.

This little story strange but true,
Is often told in Mataboo,
Of how this Zulu tried to woo
His jungle lady
In tropics shady;
Although the scene was miles away,
Right here at home I dare to say,
You'll hear some Zulu ev’ry day,
Gush out this soft refrain:

If you lak-a-me lak I lak-a-you
And we lak-a-both the same,
I lak-a-say,
This very day,
I lak-a change your name;
’Cause I love-a-you and love-a you true
And if you-a love-a me.
One live as two, two live as one,
Under the bamboo tree.

「竹の葉の陰で」

ジャングルの奥深く、娘が一人暮らしてた
肌の色は黒々してたけど王家の血筋なんだ
ある日、忘れられない人になったんだよ
マタブールーから来たズールー男にはね
毎日、朝になると、その男はね
竹の葉っぱの陰に隠れて
愛する人と会えるのを待って
こんな歌を聞かせたんだよ

もし僕が君を好きなように、君も僕が好きで
お互い同じように愛し合ってるのなら
こう言いたいんだ
今日すぐにでも
君の苗字を変えてしまいたいってね
だって僕は君を愛してて、君への愛は本物だから
もし君も僕を愛してるなら
一人は二人のために暮らして、二人は一つになって暮らすのさ
竹の葉っぱの陰でね

ジャングルの素朴なやり方で
毎日、男は娘に結婚を申し込んだんだ
歌で自分の気持ちを伝えてね
ある日、男は娘を捕まえて
そのまま優しく抱き寄せたんだ
竹の青々とした葉の陰で
自分のお妃になってくれって頼んだのさ
肌の黒い娘は、はたから見たら分からないけど赤面して
男の歌に合わせて歌ったのさ

もし僕が君を好きなように、君も僕が好きで
お互い同じように愛し合ってるのなら
こう言いたいんだ
今日すぐにでも
君の苗字を変えてしまいたいってね
だって僕は君を愛してて、君への愛は本物だから
もし君も僕を愛してるなら
一人は二人のために暮らして、二人は一つになって暮らすのさ
竹の葉っぱの陰でね

このささやかな物語は奇妙だけど本当のことなんだよ
マタブーでは語り継がれているのさ
どうやって、このズールー男は求婚できたのかって
そのジャングルの乙女は
南国生まれで肌は黒かった
舞台は遥か彼方の物語なのに
言わせてもらうけど、この辺りでも
毎日、どこかのズールー男の歌が聞こえるよ
こんな甘ったるい繰り返しをペチャクチャとね

もし僕が君を好きなように、君も僕が好きで
お互い同じように愛し合ってるのなら
こう言いたいんだ
今日すぐにでも
君の苗字を変えてしまいたいってね
だって僕は君を愛してて、君への愛は本物だから
もし君も僕を愛してるなら
一人は二人のために暮らして、二人は一つになって暮らすのさ
竹の葉っぱの陰でね

 アメリカで作曲家や俳優、劇作家としても活躍したボブ・コール(Bob Cole、1868~1911年)が詩を書き、作曲家や歌手として活動したジョン・ロザモンド・ジョンソン(John Rosamond Johnson、1873~1954年)が曲を書いた楽曲です。ジョン・ロザモンド・ジョンソンは作家のジェイムズ・ウェルデン・ジョンソン(James Weldon Johnson、1871~1938年)の弟です。メロディはスピリチュアルの「誰も知らない私の悩み(Nobody Knows the Trouble I’ve Seen)」がヒントになっています。1902年のミュージカル「ご近所さんのサリー(Sally In Our Alley)」の挿入歌に使われました。舞台で初めて歌ったのはマリー・カーヒル(Marie Cahill、1866~1933年)でした。
 録音ではビルボードのヒットチャートで、1902年のアーサー・コリンズ(Arthur Collins、1864~1933年)のものが一位、翌年にはコリンズとバイロン・G・ハーラン(Byron G Harlan、1861~1936年)で歌ったものが四位を記録しています。また、この歌は1944年には映画「若草の頃(Meet Me in St. Louis)」(現代の直訳は「セント・ルイスで会いましょう」)の中でジュディ・ガーランド(Judy Garland、1922~1969年)とマーガレット・オブライエン(Margaret O’Brien、1937年~)が歌ったことでも知られています。

dusky shade:いずれも肌が黒いこと。
Matabooloo:おそらく架空の地名。
If you lak-a-me lak I lak-a-you:If you like me like I like you。一つ目と三つ目のlikeは好きの意で、二つ目は「〇〇のように」のlike。
Mataboo:一節目ではMataboolooでしたが、ここでは語尾のlooがなくなっています。

アーサー・コリンズが一人で歌っているもの


アーサー・コリンズとバイロン・G・ハーランのデュエット
 

舞台でこの歌を歌ったマリー・カーヒルも1917年にレコード化しています


映画「若草の頃」のジュディ・ガーランドとマーガレット・オブライエン



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1902年 | Arthur Collins

2020年01月30日

That Good Old Baylor Line

That Good old Baylor Line
That Good old Baylor Line
We’ll march forever down the years
As long as stars shall shine
We’ll fling our Green and Gold afar
To light the ways of time
And guide us as we onward go
That good old Baylor Line.
(Give it a proper Sic ’em Bears!)

(1906 original lyrics)

That good old Baylor line,
That good old Baylor line.
Where will Texas U. be when our stars begin to shine?
They’ll wish they were at home again, done up in turpentine.
The day our backs come up the field,
That good old Baylor line.

「良き伝統を継ぐベイラーの同胞よ」

良き伝統を継ぐベイラーの同胞よ
良き伝統を継ぐベイラーの同胞よ
とこしえの年月を共に歩んで行こう
天に星々の輝く限り
緑と金の校旗をはためかせ
この時代を照らして行こう
共に進み続ける限り、導き給え
良き伝統を継ぐベイラーの同胞よ
(ここで声を上げよう「攻めよ、ベアーズ!」)

(1906年の原詩)

伝統のベイラー大のラインよ
伝統のベイラー大のラインよ
テキサス大はどこにいる? 俺たちの星が輝きだしたら
あいつら家に帰りたいって思うだろうよ、テレピン油まみれになって
俺たちのラインバックがフィールドに出てきた日にはさ
これが伝統のベイラー大のラインだ

 1906年、テキサス州のミッション系私立大学のベイラー大に通う学生の一団が「久しく慕った夏の季節に(In the Good Old Summer Time)」の替え歌を作って自分たちの大学の応援歌にしました。しかし、ベイラー大の卒業生で、音楽科の教授の妻君でもあったイニッド・イーストランド・マーカム(Enid Eastland Markham、1901~1989年)は歌詞が威厳に欠けると感じ、1931年に新たな歌詞を付けました。これがベイラー大の校歌となっています。

Baylor Line:オリジナルの1906年の詩の場合はフットボールの応援歌なのでラインバックのことを指すものと思われますが、マーカムの詩の場合は校歌なので、ベイラー大の学生全てを指すものと思われます。1970年に創立されたベイラー大の新入生による公式応援団もBaylor Lineと呼ばれています。
our Green and Gold:緑と金はベイラー大の公式なシンボルカラーです。
Sic ’em:犬などに獲物に飛びかからせるときに使うかけ声です。
Bears:ベイラー大の公式マスコットはクマです。
done up in turpentine:テレピン油まみれになる。



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1931年 

2020年01月29日

In the Good Old Summertime

In the good old summertime
In the good old summertime
Strolling down the shady lanes
With my sweetheart mine
I hold his hand and he holds mine
And that’s a very good sign
That he’s my tootsie-wootsie
In the good old summertime

Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down

Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down the shady lane
Down the shady lane, down

In the good old summertime
In the good old summertime
Strolling down the shady lanes
With my sweetheart mine
I hold his hand and he holds mine
And that’s a very good sign
That he’s my tootsie-wootsie
In the good old summertime
In the good old summertime

「いつも大好きな夏の季節に」

いつも大好きな夏の季節に
いつも大好きな夏の季節に
木陰の小道をお散歩するの
愛しいあの人と一緒にね
あの人の手を取ると、あの人も手を握り返してくれる
これって、とても良い兆しね
きっと、あの人は恋人になってくれる
いつも大好きな夏の季節に

木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩するの

木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩、木陰の小道をお散歩
木陰の小道をお散歩するの

いつも大好きな夏の季節に
いつも大好きな夏の季節に
木陰の小道をお散歩するの
愛しいあの人と一緒にね
あの人の手を取ると、あの人も手を握り返してくれる
これって、とても良い兆しね
きっと、あの人は恋人になってくれる
いつも大好きな夏の季節に
いつも大好きな夏の季節に

 1952年のレス・ポール(Les Paul、1915~2009年)とメアリー・フォード(Mary Ford、1924~1977年)のコンビによる「いつも大好きな夏の季節に(In the Good Old Summer Time)」のカバーです。三人称だったオリジナルから女性視点の一人称に歌詞が変えられています。

 



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1952年 | Les Paul

2020年01月28日

In the Good Old Summer Time

There’s a time in each year
That we always hold dear,
Good old summer time;
With the birds and the trees-es,
And sweet scented breezes,
Good old summer time,
When your day's work is over
Then you are in clover,
And life is one beautiful rhyme,
No trouble annoying,
Each one is enjoying,
The good old summer time.

In the good old summer time,
In the good old summer time,
Strolling thro’ the shady lanes
With your baby mine;
You hold her hand and she holds yours,
And that’s a very good sign
That she's your tootsie wootsie
In the good old summer time.

To swim in the pool,
You’d play “hooky” from school,
Good old summer time;
You’d play “ring-a-rosie”
With Jim, Kate and Josie,
Good old summer time,
Those days full of pleasure
We now fondly treasure,
When we never thought it a crime
To go stealing cherries,
With face brown as berries,
Good old summer time.

In the good old summer time,
In the good old summer time,
Strolling thro’ the shady lanes
With your baby mine;
You hold her hand and she holds yours,
And that’s a very good sign
That she’s your tootsie wootsie
In the good old summer time.

「いつも大好きな夏の季節に」

毎年必ず来るこの季節を
誰もがとりわけ愛しく思うんだ
いつも大好きな夏の季節を
小鳥たちに茂る木々
それに甘く香るそよ風
いつも大好きな夏の季節に
昼の仕事が終わったら
あとはクローバー詰みみたいに気楽に過ごすんだ
人生は一くさりの美しい詩となって
悩み事に煩わされることもなく
誰も彼もが楽しんでいるんだ
いつも大好きな夏の季節を

いつも大好きな夏の季節に
いつも大好きな夏の季節に
木陰の小道をそぞろ歩き
愛しの君を連れて
娘の手を取れば、娘が手を握り返す
これは、とても良い兆しなんだ
きっと、あの人は恋人になってくれる
いつも大好きな夏の季節に

プールで泳ぎたくて
学校を「サボって」抜け出すんだ
いつも大好きな夏の季節に
「バラの花輪」をして遊ぼう
ジムとケイトとジョージーと
いつも大好きな夏の季節に
日々は喜びに満ち溢れ
みんなが喜んで大事に思う
誰も悪いことだなんて思いはしない
こっそり木の実を摘んだとしても
木の実みたいに顔を真っ赤にして
いつも大好きな夏の季節に

いつも大好きな夏の季節に
いつも大好きな夏の季節に
木陰の小道をそぞろ歩き
愛しの君を連れて
娘の手を取れば、娘が手を握り返す
これは、とても良い兆しなんだ
きっと、あの人は恋人になってくれる
いつも大好きな夏の季節に

 アメリカの作詞家レン・シールズ(Ren Shields、1868~1913年)の書いた詩に、ウェールズ生まれの音楽家でコメディアンのジョージ・エヴァンズ(George Evans、1870~1915年)が曲をつけた歌です。最初に出版社に持ち込んだ時には、季節ものの歌はその季節が終われば忘れ去られると言われ、受け付けてはもらえませんでした。しかし、当時エヴァンズのアレンジを手助けしていた歌手で女優のブランチ・リング(Blanche Ring、1871~1961年)がこの曲に惚れ込み、その年のミュージカル「守備選手(The Defender)」の中に組み込ませたのでした。舞台ではリングが自ら歌い、初日からコーラス部を観客も一緒に歌って大盛況となりました。その後も多くの歌手や楽団が持ち歌にしています。ビルボードのヒットチャートでは1902年にはJ・W・マイアーズ(J. W. Myers、1864頃~1919?年頃)のものが一位、ウィリアム・レドモンド(William Redmond、1871~1945年)のものが三位を記録し、翌1903年にはハイドン・カルテット(Haydn Quartet)のものとスーサの楽団(Sousa's Band)のものが一位、ハリー・マクドナフ(Harry Macdonough、1871~1931年)のものが三位を記録しています。スーサの楽団のものではコーラス部をハリー・マクドナフとS・H・ダドリー(S. H. Dudley、1864~1947年)が歌っています。1930年にはグレタ・ガルボ(Greta Garbo、1905~1990年)主演映画「アンナ・クリスティ(Anna Christie)」に使用され、1949年にはジュディ・ガーランド(Judy Garland、1922~1969年)主演でこの歌からタイトルを取った「グッド・オールド・サマータイム(In the Good Old Summertime)」(日本未公開、DVD販売あり)と言う映画も作られています。1952年にはレス・ポール(Les Paul、1915~2009年)とメアリー・フォード(Mary Ford、1924~1977年)のコンビがロックアレンジで録音したものが、ビルボードのヒットチャートで十五位を記録しています。日本では「昔なつかし夏のころ」の邦題で紹介されているようです。

(2020年12月06日補足)
 1924年に宮沢賢治はこの曲をアレンジしたものを自作の戯曲「ポランの広場」の劇中歌に使用しています。原曲がワルツだったのに対し、賢治のアレンジでは四分の二拍子になって、やや異なる印象の曲となっています。



Good Old:所謂「古き良き」。夏は毎年来るので、お馴染みのくらいの意。
the trees-es:treesですでに複数形になっていますが、次行のbreezesと韻を踏ませるために強引に語尾にesを付けています。
are in clover:気楽に暮らす、裕福に暮らす、の意の慣用句。
tootsie wootsie:恋人の意味の愛称。
play “hooky”:学校などをズル休みする。
ring-a-rosie:日本のかごめかごめのように手をつないで輪になって回る子供の遊び。

音源はJ・W・マイアーズのものは埋め込みできないようです。
ウィリアム・レドモンドの歌唱


ハイドン・カルテットのもの


スーサの楽団のもの


ハリー・マクドナフがソロで歌ったもの


映画「グッド・オールド・サマータイム」の予告編では歌詞入りでこの歌が使われています


1975年には殺虫剤のCMソングにまで使われていたようです



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1902年 | J. W. Myers

2020年01月27日

The Mansion of Aching Hearts

The last dance was over, the music had ceased
And the dancers were leaving the hall
A few men were saying their last goodbyes
To the beautiful belle of the ball
Alone by the window a youth sadly stands
His heart she had stolen away
And just as he gazed on her beautiful face
He was startled to hear someone say

She lives in a mansion of aching hearts
She’s one of a restless throng
The diamonds that glitter around her throat
They speak both of sorrow and song
The smile on her face is only a mask
And many the tear that starts
For sadder it seems when of mother she dreams
In the mansion of aching hearts

Alone by the fireside, a man sadly looks
At a picture that hangs on the wall
He has never forgotten the sad sweet face
Of the beautiful belle of the ball
He’s reading her letter
My picture I send, I have loved you
But only in vain
Oh try to forget that we ever have met
Then he thinks with a heart full of pain

She lives in a mansion of aching hearts
She’s one of a restless throng
The diamonds that glitter around her throat
They speak both of sorrow and song
The smile on her face is only a mask
And many the tear that starts
For sadder it seems when of mother she dreams
In the mansion of aching hearts

「悲しき心のお屋敷で」

最後のダンスが終わり、音楽も途絶えて
踊り手たちもホールから去ろうとしていた
男たちの何人かは別れの挨拶をしようと
舞踏会の美女に声をかけていた
窓辺には若者が一人わびしく立っていた
若者は美女に心を奪われてしまった
なのに、その麗しい顔を見つめているその時に
誰かがこう言うのを聞いて、呆然としてしまったのだ

あの女は悲しき心のお屋敷に暮らしているのさ
魂に安らぎの得られない者たちの一人なんだよ
あの女の喉元を飾るキラキラ光るダイヤモンドは
悲しみを語って、歌っているのさ
あの女の顔に浮かべた微笑みも仮面なんだ
たくさんの涙をこぼしているんだよ
母親のことを思い浮かべると、悲しみがいや増すんだろうよ
悲しき心のお屋敷で

暖炉の前で一人、男が悲しく見つめているのは
壁に掛けられた一枚の写真
男には、あの悲しくも美しい顔が忘れられなかった
あの舞踏会の美女のことが
女からの手紙に目を通している
「写真をお送りします、お慕いしておりました
けど、せんなきことです
二人が出会ってしまったことも忘れてください」
男は悲しみに満ちた心で思うのだった

あの女は悲しき心のお屋敷に暮らしているのさ
魂に安らぎの得られない者たちの一人なんだよ
あの女の喉元を飾るキラキラ光るダイヤモンドは
悲しみを語って、歌っているのさ
あの女の顔に浮かべた微笑みも仮面なんだ
たくさんの涙をこぼしているんだよ
母親のことを思い浮かべると、悲しみがいや増すんだろうよ
悲しき心のお屋敷で

 「金の籠の小鳥(A Bird in a Gilded Cage)」を書いた作詞家アーサー・J・ラム(Arthur J. Lamb、1870~1928年)と作曲家ハリー・ヴォン・ティルザー(Harry Von Tilzer、1872~1946年)による楽曲です。1902年にビルボードのヒットチャートで、ハリー・マクドナフ(Harry Macdonough、1871~1931年)のものとバイロン・G・ハーラン(Byron G Harlan、1861~1936年)のものが一位を、J・W・マイアーズ(J. W. Myers、1864頃~1919?年頃)のものが二位を記録しています。

a restless throng:はっきりとではありませんが、この舞踏会の美女が娼婦であることをほのめかしています。

ハリー・マクドナフの歌唱


バイロン・G・ハーランの歌唱


J・W・マイアーズの歌唱



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hanmyo at 06:00|PermalinkComments(0)1902年 | Harry Macdonough
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